Kyūsaku Yumeno

出生 : 1889-01-04, Fukuoka, Fukuoka Prefecture, Japan

死亡 : 1936-03-11

略歴

Novelist and poet.

参加作品

ユメノ銀河
Novel
戦後も間もない、ある地方都市。乗合バスの女車掌に就いたトミ子は、しかし変化のない仕事に嫌気がさし始めていた。そんなある日、トミ子の親友ツヤ子が、婚約者の運転するバスに同乗していて事故死したという知らせが届く。弔問の帰り道、トミ子は女車掌の間に流れるある運転手の噂を耳にする。転々とバス会社を変えるその男と組んだ車掌は、必ず謎の死を遂げているというのだ。
ドグラ・マグラ
Novel
殺人を犯して記憶喪失におちいった青年・呉一郎は、精神科医・若林のもとで治療を受けていた。若林の言によると、正木敬之という博士が呉一郎の担当医だったが、治療の途中で死亡したという。呉一郎は正木博士の残した論文に目を通すが、気がついたとき、死んだはずの正木博士が現れる…。
瓶詰め地獄
Novel
After the death of their father, a brother and his sister return to their family home on a secluded island. They are accompanied by the brother's girlfriend. Problems arise when it becomes obvious that the two siblings have carnal desires for each other as well.
夢野久作の少女地獄
Original Story
ある私立の名門女子学院の放課後、甘川歌江と殿宮アイ子の仲が、同級生の間で噂になっていた。歌江は並はずれた体格から、“火星さん”という仇名を付けられ、みんなから疎外されていた。そんな歌江をアイ子は優しく労り、いつしか二人は誰も入り込むことのできない深い関係になっていた。二人の通学する学院の校長森栖礼造は、書記の川村や英語教師のトラ子と共謀して不正行為をおこない、歌江の弱みにつけ込んで処女をむさぼろうとする偽善者だった。あるとき歌江は森栖に犯され妊娠してしまう。それを知ったアイ子は血相を変え、歌江に詰寄るのだった。二人は傷つき、醜い大人の世界を知った。やがて二人は森栖ばかりでなく川村、トラ子、そして病身の妻を虐待し、芸者遊びに興じるアイ子の父・愛四郎らへの復讐心をかりたてていった。歌江ら卒業生の主催する謝恩パーティの行なわれたその夜、学院で火災がおこり、焼け跡から黒焦げの死体が発見される。そして森栖を呪った遺書が見つかったことなどから、その遺体は歌江と断定される。森栖は責任を追求されるのを恐れ、逃げまわる。歌江の死後、川村とトラ子が奇怪な死を遂げた。一方アイ子は、泥酔しきった愛四郎の前に現われ、そんな姿を罵り、貪欲な欲望をあざ笑うのだった。赤く染まる荒涼とした埋め立て地を、夢遊病者のように歩く森栖。突然二つの影が現われた。歌江とアイ子だった。火災現場から発見された遺体は歌江ではなかった。ただ茫然とする森栖の前で、二人は一体となり見る見る内に炎に包まれていった。炎と煙りに包まれた歌江とアイ子の前で、獣のように叫び狂乱する森栖の無惨な姿があった。地獄絵さながらのその光景の中で、黒い煙が大空に充満し二つの花芯は燃えつき、ひたむきな少女の心を犠牲にしたすべての復讐が終わった。