日本の極道界の頂点に君臨した坂松組三代目組長が死んでから3年が過ぎ、その跡目を継ごうと名乗りをあげたのは、若頭の海原泰明と舎弟頭の佐渡拓磨のふたりだった。しかし、新興勢力の海原に比べ、バブルで弾けてしまった佐渡は各方面に借金などがあって分が悪い。佐渡は昔のよしみから、“北陸の女帝”の異名を持つ洲崎組組長の洲崎香矢に運動資金を提供して貰うことにした。香矢が佐渡側についたことで、香矢の亡夫の舎弟でありながら現在は海原派に身を置く神鳥組組長・神鳥亮平は、難しい立場に追いやられるだろうと胸騒ぎを覚える。