Shuko Honami

参加作品

ユメノ銀河
Tsuyako's Mother
戦後も間もない、ある地方都市。乗合バスの女車掌に就いたトミ子は、しかし変化のない仕事に嫌気がさし始めていた。そんなある日、トミ子の親友ツヤ子が、婚約者の運転するバスに同乗していて事故死したという知らせが届く。弔問の帰り道、トミ子は女車掌の間に流れるある運転手の噂を耳にする。転々とバス会社を変えるその男と組んだ車掌は、必ず謎の死を遂げているというのだ。
天国の大罪
東京地検特捜部の検事である衣畑遼子は、不倫関係にある上司の田辺邦夫の子供を身ごもっていた。チャイニーズ・マフィアのボスである蔡文華の策略により、拘留中のマフィアの自殺を手伝うことになってしまった遼子は検察を退職、田辺とも別れシングルマザーとして生きることに。だが一人息子を、かつて自分が逮捕に協力した奈良本に誘拐され、遼子は蔡に救出を依頼した。息子は無事に戻り、遼子は蔡と家族になるのだった。
うれしはずかし物語
Wakako Mikuni
中年サラリーマンの三国裕介は会社では部長の地位にあり、家庭では良き妻と子供に恵まれていたが、なにか満たされぬ思いがあった。ある晩裕介はチャコという若い娘と週一回の愛人契約を結び、彼女は金曜日になると彼のプライベートなマンションに遊びに来るようになった。一方、裕介の妻・和歌子は良妻賢母で通っていたが、外山という若いボクサーと知り合い、不倫に陥ってしまう。裕介も和歌子も若い恋人ができて毎日が楽しくてしょうがないが、まさか相手が浮気しているとは思っていない。しかし、ある晩いくら待っても、チャコは現われなかった。裕介はいらいらしながら翌日もマンションに行くと、チャコがいた。初めは約束を破ったことを責めるが、彼女の魅力に負けて許してしまう。やがて二人は頻繁に会うようになり新しくアパートを借りたが、そこは外山のアパートの向いだった。チャコが少女から大人の女へと変化するにつれ、裕介の思いもときめきから戸惑いへと変わってきた。ある日裕介はチャコの姉の差し金で、やくざ風の男に「チャコと別れろ」と脅かされた。裕介がその足でアパートへ行くと、そこにはチャコとボーイフレンドの舟戸がおり、彼は夢が終わったことを悟った。金曜日、裕介はチャコと最後の契約を果たすために抱き合ったが、窓が開いていたので、向かいのアパートで外山と抱き合う和歌子と目が合ってしまった。二人はお互いの気持ちがわかるだけに責める気になれず、再び平穏な家庭生活へと戻っていった。