Brice Leboucq

参加作品

10ミニッツ・オールダー イデアの森
Music
 映画史に燦然と輝く巨匠監督15人が“時間”をテーマに競作した豪華な短編集。10分という厳密な時間制限と予算だけが決められ、それ以外は各監督の自由にすべてが委ねられたこの企画は、2本のコンピレーション・フィルムに結実。本作はそのうちの1本。もう1本のタイトルは「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」。  これまで古今東西の哲学者たちが様々な思索をめぐらせた“時間の謎”を、8人の映画監督がそれぞれのタッチで追究していく。収録されている作品は、ベルナルド・ベルトルッチの「水の寓話」、マイク・フィギスの「時代×4」、イジー・メンツェルの「老優の一瞬」、イシュトヴァン・サボーの「10分後」、クレール・ドニの「ジャン=リュック・ナンシーとの対話」、フォルカー・シュレンドルフの「啓示されし者」、マイケル・ラドフォードの「星に魅せられて」、ジャン=リュック・ゴダール「時間の闇の中で」の全8編。
美しき諍い女
Sound Assistant
バルザックの『知られざる傑作』を原作に撮った、ジャック・リヴェット監督作品。孤高の画家フレンホーフェルは、自らの最高傑作“美しき諍い女”を描こうと妻をモデルにするが完成直前に破棄してしまう。そして10年後。彼の前に、若いモデル、マリアンヌが現れた事から彼は再び“美しき諍い女”の仕上げにとりかかるが……。4時間にも及ぶ上映時間の作品でありながら、全くその長さを感じさせない傑作。セリフの全くない、デッサンを描くシーンでの鉛筆の音だけが響きわたる画家と女との緊張感溢れる場面、そして女(=人間)の本性をキャンバスに描き込むという本作のテーマが露になる衝撃的なラスト・シーンと、その奥深い哲学的思想には思わず感服してしまう。この作品は、ビデオ化になる際に映画公開時のオリジナル・バージョンの4時間版と、131分のショート・バージョンの2タイプが発売されたが、何と言ってもオリジナル4時間版をお勧めする。