Thierry Fonteny

参加作品

ロスト・チルドレン
Grip
近未来の半ば朽ちかけたような港町に子供の失踪事件が続発。実は町に横行する一つ目教団が、沖合に浮かぶ奇妙な実験室に住む天才クローン人間クランク(ダニエル・エミルフォルク)に夢を見させるため、誘拐していたのだ。サーカスの怪力男ワン(ロン・パールマン)の幼い弟ダンレー(ジョゼフ・ルシアン)も誘拐される。ワンは9歳のミエット(ジュディット・ビッテ)率いる孤児の泥棒団に出会う。彼女たちは孤児院を経営するシャム双生児の姉妹の命令下にあり、ワンも腕力を買われて一味に入らされる。ミエットはワンの弟探しに同情して、二人は一つ目教団の本拠に潜入するが捕まり、処刑されることに。
美しき諍い女
Grip
バルザックの『知られざる傑作』を原作に撮った、ジャック・リヴェット監督作品。孤高の画家フレンホーフェルは、自らの最高傑作“美しき諍い女”を描こうと妻をモデルにするが完成直前に破棄してしまう。そして10年後。彼の前に、若いモデル、マリアンヌが現れた事から彼は再び“美しき諍い女”の仕上げにとりかかるが……。4時間にも及ぶ上映時間の作品でありながら、全くその長さを感じさせない傑作。セリフの全くない、デッサンを描くシーンでの鉛筆の音だけが響きわたる画家と女との緊張感溢れる場面、そして女(=人間)の本性をキャンバスに描き込むという本作のテーマが露になる衝撃的なラスト・シーンと、その奥深い哲学的思想には思わず感服してしまう。この作品は、ビデオ化になる際に映画公開時のオリジナル・バージョンの4時間版と、131分のショート・バージョンの2タイプが発売されたが、何と言ってもオリジナル4時間版をお勧めする。