Villager
A young woman encounters a malevolent supernatural force while searching for her missing sister in Tokyo, a mean high school prank goes horribly wrong, and strange things begin happening in a Chicago apartment building.
首都圏にある某都市に住む男、我妻諒介は犯罪者を追い詰めるためには暴力の行使も辞さない凶暴な刑事。その行き過ぎた捜査と粗暴な性格から、勤務する港南警察署内[3]でも危険人物として敬遠されていた。警察という組織にあって浮いた存在の我妻だったが、自身を理解してくれる数少ない同僚と他愛もない冗談を言い、ある時は酒を酌み交わし、完全な孤立は辛うじて免れていた。 そんなある日、港で麻薬売人の惨殺死体が発見される。我妻は新人の菊池を引き連れ事件の捜査を開始し、容疑者への殴る蹴るの暴行すら厭わない強硬な手段で次々と犯行グループの全貌を暴いていく。そして、覚醒剤を密売する組織の首謀者として暗躍する実業家の仁藤、その手下で殺し屋の清弘の存在をつきとめた。だがその中で我妻は、あってはならない驚愕の事実にも辿り着いてしまうのだった。
地上げ屋同士の熾烈な攻防戦が吹き荒れるバブル期の東京。オフィスビルの建設ラッシュを機に、政治家・建設業者・商社・銀行が結託して巨額の利益を上げんと欲望を燃え上がらせていた。 そんな中、代議士の漆原は天の道教団の管長・鬼沢に目をつける。鬼沢は宗教を隠れ蓑に風俗業など数々の商売をし、さらにヤクザを操り地上げの嵐を吹き荒らしていた。しかもそれらの商売による収益を宗教法人に入金して課税を免れていた。 「宗教活動以外での所得は課税対象となる」という税法を盾に、やり手査察官・板倉亮子をはじめとする国税局査察部・通称マルサは鬼沢の内偵調査を行う。亮子は大蔵省のエリート官僚・三島を引きつれ鬼沢の身辺調査に入るが、教団信者やヤクザ達の妨害に遭い、調査は難航。ようやく脱税のシッポを掴んだマルサは強制調査に着手し、鬼沢の取調べが行われるが、鬼沢は頑として脱税を認めず、逆ギレして地上げの正当性を主張する。 そんな中、鬼沢の手下が射殺される。査察部は脱税を隠蔽するために鬼沢が「トカゲの尻尾」のように切り捨てたのではないかと疑うが、やがて鬼沢本人が狙撃される事件が発生。危うく難を逃れたが、鬼沢も「トカゲの尻尾」、つまり使い捨てられる駒でしかなかったのだ。 鬼沢の地上げした土地ではビルの着工を前に地鎮祭が行われる。鬼沢を背後で操って自らは手を汚すことなく利益を得た大臣・代議士・企業幹部が談笑する。その姿を少数の同僚とともにフェンス越しに隠れて見つめていた亮子は、やりきれなさに唇を噛む。 一方、鬼沢は自分の墓に巨額の財産を隠していた。最後に笑ったのは鬼沢であった。