美術部に所属する木崎朔子(上原実矩)は、漁港で船のスケッチに苦戦している最中に誤って海に転落してしまう。それを目撃した同じ美術部員の西原光(若杉凩)が「溺れる朔子」の絵を描いて絵画コンクールで受賞。朔子の絵は学校に飾られ、新聞記者に取材された西原は「次回作のモデルを朔子にする」と勝手に発表するのだった。一方、朔子は悔しさから絵の道を諦め、代わりに壊れた鳩時計などを使って造形物の創作に挑戦するが、再婚した父と臨月の義母、そして親友の大谷栄美(森田想)と仲違いしてしまう。朔子の自宅の取り壊しと新居への引っ越しが迫るなか、美術室で向き合う朔子と西原。朔子は、絵を描く西原の真剣なまなざしに圧倒されながら「なぜ自分をモデルに選んだのか」と疑問をぶつける……。