Ron Büttner

世界最高峰のオーケストラの一つであるドイツのベルリン・フィルで、女性として初めて首席指揮者に任命されたリディア・ター。彼女は天才的な能力とそれを上回る努力、類稀なるプロデュース力で、自身を輝けるブランドとして作り上げることに成功する。今や作曲家としても、圧倒的な地位を手にしたターだったが、マーラーの交響曲第5番の演奏と録音のプレッシャーと、新曲の創作に苦しんでいた。そんな時、かつてターが指導した若手指揮者の訃報が入り、ある疑惑をかけられたターは、追いつめられていく──

A communist kangaroo moves in with an artist in Berlin.

The IEK team investigates the corpse of 1970s-disappeared flower girl Monika Rothmann, both burned and suffocated as drowned. She was believed to have abandoned husband Herbert and daughter Anja without a trace, but it turns out she started a new life as a political and environmental activist, yielding potential motives and suspects, but also an adulterous affair.

1940年6月、フランスが降伏し、ドイツ国中が戦勝ムードに沸く中、首都ベルリンに暮らす労働者階級の夫婦、オットーとアンナのもとに1通の手紙が届く。それは、彼らのひとり息子ハンスの戦死を知らせるものだった。それ以来、2人は、悲しみと失意を怒りに転化させ、ヒトラー政権を批判するメッセージを匿名の葉書にせっせと書き綴っては、街のあちこちに人知れずばらまくという、ささやかな抵抗運動に身を投じるようになる。