Shuzo Kasahara

参加作品

サイダーのように言葉が湧き上がる
Producer
17回目の夏、地方都市⸺。 コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、 いつもヘッドホンを着用している少年・チェリー。 彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。 矯正中の大きな前歯を隠すため、 いつもマスクをしている少女・スマイル。 人気動画主の彼女は、“カワイイ”を見つけては動画を配信していた。 俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、 見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、 ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。 ある日ふたりは、 バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった 想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。 ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。 フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、 チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。 だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って⸺。 物語のクライマックス、 チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、 あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。
ジョゼと虎と魚たち
Producer
趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、大学生の恒夫に助けられる。 海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れをいつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。 そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、あるバイトを持ち掛ける。それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。 しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、縮まっていくふたりの心の距離。その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。
未来のミライ
Associate Producer
とある都会の片隅。小さな庭に小さな木の生えた、小さな家に暮らす4歳のくんちゃんは、生まれたばかりの妹に両親の愛情を奪われ、戸惑いの日々を過ごしていた。そんな彼の前にある時、学生の姿をした少女が現れる。彼女は、未来からやってきた妹ミライだった。ミライに導かれ、時を越えた冒険に出たくんちゃんは、かつて王子だったという謎の男や幼い頃の母、青年時代の曽祖父など、不思議な出会いを果たしていく。