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名古屋にあるミニシアター・シネマスコーレは新型コロナ禍で、開館して以来、初めての休館に追い込まれるなど様々な苦境に見舞われた。それでも「なんてことない」と笑顔を絶やさず、映画文化の多様性を守るために奮闘する木全純治支配人の姿を追う。座席数51席のシネマスコーレは、1983年に映画監督の若松孝二氏が創立した。以来、木全支配人が見出したインディーズやアジアの知られざる名作を、一日も休まずに上映してきた。近年は、坪井篤史副支配人が手掛ける独創的なイベントで全国的に知られるようになった。映画作品と観客の近さが魅力的だったシネマスコーレは、“密”の回避が叫ばれる状況で存続できるのか? 2年間にわたる取材を通して、ミニシアターが映画文化の発展に果たしてきた役割の大きさと、多様性が持つ意味を問いかける。