初老の録音技師・夏目准一は、病状が悪化し余命いくばくもない妻を看取ろうとしていた。気持ちの整理がつかない夏目は危篤状態の妻を残し、30年前に夫婦で旅をした場所へ向けオンボロのトラックに乗って出発する。一方、中学3年生のチカとユッコは同級生のユカリの家に遊びに来た。今日はユカリの誕生日。子供達だけのかけがえのない時間。しかし、思わぬ訪問者によって3人たちの築いた関係にひびが入りはじめる。過去と現在、幻想とリアルを飛び越えながら、まったく違う2つのエピソードは思わぬ場所で交差する。
Yasutaro
A 17-year-old country boy named Norio decides his only option is to follow his late parents’ example and commit suicide. After failing even at that, his 34-year-old English teacher Akemi convinces him that he should instead move to Tokyo with her and become a lawyer on her dime. Unfortunately, Akemi doesn’t have quite as much money as she leads Norio to believe, and has to secretly get a job at a karaoke bar under the guise of “going to the salon”. Meanwhile, she continuously prods her somewhat dimwitted student to work harder toward her manufactured goal of him becoming a lawyer. Although Norio is falling in love with Akemi, he’s not all that interested in studying, and matters only get worse when he discovers his benefactor’s secret source of income.
『夕凪の街』原爆投下から13年後、昭和三十三年の広島。平野皆実(麻生久美子)は復興の進んだ街で母のフジミ(藤村志保)と暮らしていた。ある日、皆実は会社の同僚である打越(吉沢悠)からの愛の告白を受けるが、皆実には原爆で家族を失い、自分だけが生き残ったことが心に深い傷となって残っていた。父や妹のことが頭から離れず、自分だけが生き残ったことに負い目を感じてしまい、打越との幸せを心から受け入れられない。それでも打越は真摯に愛し、皆実も気持ちが動き始める。しかし突然、皆実の体に原爆症が現れはじめる。『桜の国』半世紀後の平成十九年、夏の東京。石川七波(田中麗奈)は最近父親の旭(堺正章)が挙動不審であることを心配していた。ある夜、自転車で出かけていく旭を追っていくと、駅で切符を買い求めていた。その姿を見ていた七波は、小学校時代の同級生である東子(中越典子)と久々に再会し、二人はさらに旭の後を追う。電車から長距離バスへと乗り換えた旭の行く先は広島だった。七波は旭の立ち寄る土地や会う人々を遠目から見ているうちに、亡くなった祖母のフジミや叔母の皆実へ思いをめぐらせる。また、東子は七波の弟である凪生(金井勇太)と交際しており、両親からは被爆者の末裔であることを理由に関係を反対されていた。旭と共に自らのルーツと向き合う七波、原爆がもたらしたものをその目で見つめていく東子。二人は広島で、平和の尊さや生きることの喜び、様々な愛情の形を確かめていく。
A young reporter is covering the mysterious case of a child found dead with missing internal organs.