温厚誠実な銀行員サム・ウィート(パトリック・スウェイジ)は、陶芸家として成功しつつある最愛の恋人モリー・ジェンセン(デミ・ムーア)と幸せな時間を過ごし、同僚の友人カール・ブルーナー(トニー・ゴールドウィン)とも良好な関係を維持しながら順調に仕事をこなし、平穏な日々を送っていた。 ある日、サムは勤め先の銀行で、コンピュータ内の口座データに異変があるのを発見した。カールが手伝おうとしたが、サムは断り残業して調べる…。 後日、サムとモリーが「マクベス」を観劇しての帰り道、モリーがサムに自分の心を打ち明けた。「貴方と結婚したい」。今まで、彼女が避けていた問題だったのでサムは驚く。悩むサムに、モリーはなぜ「愛してる」と言葉にしてくれないのかと問い詰める。「愛してる……」とモリーが言うと、サムは必ず「Ditto(同じく)」と答えていた。 しかしそのとき、暗がりから一人の暴漢がサムを襲った。そしてサムと暴漢は揉み合いになり、暴漢が持っていた拳銃が発砲された。そして暴漢は逃げ、それを追いかけるも取り逃がしたサムが諦めて戻ると、モリーが血だらけの自分を抱いていた。サムは死んでゴーストになってしまったのだ。
無謀な映画監督が冒険映画撮影のため、幻の孤島へ向かう。そこで彼らを待ち受けていたのは、巨大なキング・コングだった。1933年製作の特撮映画の金字塔を、ピーター・ジャクソン監督がリメイクしたアドヴェンチャー作品。
大富豪の家庭に育ったブルース・ウェインは少年時代、井戸で遭遇したコウモリの大群に圧倒的な衝撃を受け、またさらには彼の両親が目の前で殺されて大きなショックを抱え込む。やがて父の遺した企業を受け継いだブルースだったが、強いトラウマと親の仇への復讐心は消えず、犯罪者の心理を知るため自ら罪人となる。そんな彼はある日、デュガードという男と運命的な出会いを果たし、不正と闘うことを決意。そして彼の薦めにより、ヒマラヤの奥地に潜む“影の同盟”なる自警団のもとで心身を鍛え、心の闇を解放する。こうして彼は、ゴッサム・シティへと舞い戻って来る。街は悪の組織と暴力がはびこり、腐敗が進んでいた。自らの使命に確信を持ったブルースは、全身黒いコスチュームを身に纏ったバットマンとなり、巨悪と対峙する道を選ぶのだった。
アメリカ中北部の田舎町を舞台に、偽装誘拐が引き起こす惨劇とそれに関わる人々の奇妙な姿を描いたユニークな犯罪ドラマ。 ミネソタ州ミネアポリスに住むカー・ディーラーのジェリー・ランディガード(W・H・メイシー)は借金返済のために自分の妻ジーンを誘拐し、会社のオーナーでもある義父から身代金をいただこうと考えた。誘拐を実行するのは、前科者の従業員から紹介された妙な二人組、カール(S・ブシェミ)とグリムスラッド(P・ストーメア)。だがジーンを自宅から誘拐した二人は、隣町ブレイナードまで逃げたところで、停車を命じた警官と目撃者を射殺してしまう。ブレイナードの女性警察署長マージ・ガンダーソン(F・マクドーマンド)は事件を追ってミネアポリスに赴くが、その間にも狂い始めた誘拐計画は次々と犠牲者を産んでいく……。 コーエン兄弟はその特異な作風で知られる、80~90年代アメリカ・インディペンデント映画界の雄だが、この作品はその真価がもっとも発揮された一編と言っていいだろう。実話を基にしているとはいえ、ほとんどは創作だというストーリー自体の面白さももちろんだが、個々のキャラクターのおかしさとさりげなくも効果的な台詞の数々は、ドラマの完成度を極限まで高めている。雪に覆われた白い町で起こる血みどろの物語。まさに“白のフィルム・ノワール”と呼んでもいい。カンヌ映画祭で監督賞に輝いただけでなく、アカデミーでは主演女優賞と脚本賞も獲得した逸品。
妻とその愛人を射殺したかどでショーシャンク刑務所送りとなった銀行家アンディ。初めは戸惑っていたが、やがて彼は自ら持つ不思議な魅力ですさんだ受刑者達の心を掴んでゆく。そして20年の歳月が流れた時、彼は冤罪を晴らす重要な証拠をつかむ。
1823年11月のある晩、ウィーンの街でひとりの老人が発狂して自殺を図り、病院へ運ばれた。この老人は、かつてウィーンで最も尊敬された宮廷音楽家、アントニオ・サリエリ。数週間後、サリエリの告白を聞くために若年の神父・フォーグラーが病室を訪れた。やがて、サリエリの回想が始まった…。イタリアに生まれたサリエリは、作曲家として優れた才能を持っていた。やがて音楽の都ウィーンへ赴き、皇帝ヨーゼフ2世付きの宮廷音楽家になった。そんな順調なサリエリの人生も、天才ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトに出会ったことで狂わされていく…。
1959年、12月。従業員31,259名を擁するニューヨークの保険会社。19階の大部屋に勤める C. C. バクスター(ジャック・レモン)。勤続3年10カ月、礼儀正しく、数字に強く、押しに弱い"バド"の週給は94ドル70セント。 セントラルパーク近くの家賃月額85ドルの (くつろげて、独身向き) アパートに暮らすバドは、なし崩し的に続いている「バドの部屋のまた貸し」を当てにし私生活に割り込んでくる課長ら上司の、色恋の絡む、あってないような空き予約をなかなか断り切れずにいた。
戦火近づく'40年の仏領モロッコ、カサブランカは、自由を求めて渡米しようとする人々で溢れていた。ナイトクラブを経営するリックの元へ、ナチの手を逃れてここまでやって来た抵抗運動の指導者が現れる。だがその人物の妻は、かつてパリでリックと恋に落ちたイルザだった……。
フライ・フィッシングによって確かめられる父と子、兄と弟の絆。ロバート・レッドフォードが監督を務め、15年の歳月をかけて制作した感動作。若き日のブラッド・ピットが出演しているのにも注目だ。
代々海兵隊員を輩出してきた家系に生まれ、自身も父と同じ道を歩むべく、1988年に18歳で海兵隊に志願した青年、アンソニー・スウォフォード。過酷な訓練を耐え抜き、第7海兵連隊第2大隊司令部中隊付きSTAの前哨狙撃兵として1990年の夏、湾岸戦争の為サウジアラビアへと派遣された。使命感に燃える若き海兵隊員たちとアンソニーだったが、派遣先で待っていたのは果てしない砂漠と訓練、そしてひたすら待機する日々だった。<1990年に中東へと派兵されたアメリカ海兵隊員、アンソニー・スウォフォードの湾岸戦争体験記『ジャーヘッド/アメリカ海兵隊員の告白』(2003年出版)を原作としている。監督は『アメリカン・ビューティー』のサム・メンデス。一兵士の視点を通し、これまでの戦争映画とは違い、戦闘シーンがほとんど無く、変わった切り口で現代の戦争を描いている。表題になっているジャーヘッドとは、海兵隊員の刈り上げた頭がジャー(蓋のついたガラス瓶)のように見える事からつけられた蔑称である。>
雪に閉ざされた北極の地で、マットはロンドンで出会ったアメリカ人学生のリサのことを想っていた。ブラック・レーベル・モーターサイクルのライブで出会った2人は恋に落ち、何度も身体を重ね合わせていた。
ベトナム戦争が真っただ中のサイゴン。アメリカ陸軍情報部のウィラード大尉にある密命が下される。それは、カンボジアに特殊任務で赴いたままジャングル奥地に自らの王国を築き、カリスマ的な存在と化した危険人物カーツ大佐を暗殺せよ、というもの。任務を全うすべく、ウィラード大尉は4人の部下とともに哨戒艇に乗り込み川をさかのぼる。道中、極限状態に晒され続けた彼らは幾多の異常な世界を体験していく。やがて彼らはついに、ジャングルの奥深く、カーツ大佐が潜伏する“王国”へと辿り着くのだった。
もうすぐヴァレンタインという季節。平凡な男ジョエルは、恋人クレメンタイン(クレム)と喧嘩をしてしまう。何とか仲直りしようとプレゼントを買って彼女の働く本屋に行くが、クレムは彼を知らないかのように扱い、目の前でほかの男といちゃつく始末。ジョエルはひどいショックを受ける。やがて彼はクレムが記憶を消す手術を受けたことを知る。苦しんだ末、ジョエルもクレムの記憶を消し去る手術を受けることを決心。手術を受けながら、ジョエルはクレムとの思い出をさまよい、やがて無意識下で手術に抵抗し始める。
A fatalistic car crash in Mexico city sets off a chain of events in the lives of three people: a supermodel, a young man wanting to run off with his sister-in-law, and a homeless man. Their lives are catapulted into unforeseen situations instigated by the seemingly inconsequential destiny of a dog.
デヴィッド・クローネンバーグ監督「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのヴィゴ・モーテンセン主演による、ショッキングなバイオレンス描写が話題を呼んだサスペンスアクション。平凡な夫の恐るべき過去が明かされ、危機にさらされる一家を描く。
1995年、デトロイト。中産階級の白人が多く住む郊外とは“8マイルロード”で分断され、貧困層が多数を占める都市中心部。ジミーはここで無職の母と幼い妹の3人でトレイラー・ハウスに暮らしていた。彼は昼間プレス工場で働き、夜はヒップホップ・クラブ“シェルター”で毎週行われるラップ・バトルでの優勝を目指し、プロで成功することを夢見ていた。だが、彼は才能がありながらその実力を発揮出来ないでいる。加えて母ステファニーとの確執に悩んでいたジミーはある日、モデルを夢見るウェイトレスのアレックスと出会い恋に落ちるのだが…。
1944年、アメリカ。12歳のジョニーは兄のジャックと共に両親の畑仕事を手伝っていた。しかし、一家の貧しい生活は一向に楽にならず、父は酒に溺れる日々だった。そんなジョニーの心のなぐさめとなったのは、兄ジャックの優しさと、ラジオから流れてくるゴスペルやカントリー音楽だった。ある時、最愛の兄が突然の事故でこの世を去ってしまう。出来のいい息子を失ったショックでますます荒れる父親とジョニーとの確執は広がっていく。そして、空軍に入隊したジョニーは実家を離れ、ドイツに駐屯する。除隊後に初恋の女性ヴィヴィアンと結婚、子供も授かった。訪問セールスの仕事の合間に友人とゴスペル・バンドを組んで音楽を楽しむジョニーだったが、家計は苦しく、徐々に夫婦の仲も冷え切っていく。
そんなある日、ジョニーは街角で偶然見かけたレコード会社で、オーディションの機会を得る。そこで空軍時代に書いた囚人の心の叫びとも言える歌を熱唱し、その実力を認められる。そして瞬く間にプロのミュージシャンとしての第一歩を踏み出すことになった。早速、同じレコード会社のジェリー・リー・ルイスやエルヴィス・プレスリーらと全米中をツアーでまわっていた時、ジョニーは少年時代からの憧れだったジューン・カーターと出会い、すぐに意気投合する。この出会いが、これからの彼らの長い運命の始まりとなるのだった……。
クリント・イーストウッドが監督・主演を務めた衝撃のヒューマン・ドラマ。厳しいボクシングの世界を題材に、そこに生きる名もなき男女の悲愴な人生模様を綴る。アカデミー賞で作品賞をはじめ主演女優、助演男優、監督賞の計4部門を受賞。 ロサンジェルスのダウンタウンにある小さなボクシング・ジムを営む老トレーナー、フランキー。その指導力に疑いのない彼だったが、選手を大切に育てるあまり、成功を急ぐ優秀なボクサーは彼のもとを去ってしまう。そんなある日、31歳になる女性マギーがジムの門を叩き、フランキーに弟子入りを志願する。13歳の時からウェイトレスで生計を立てるなど不遇の人生を送ってきた彼女は、唯一誇れるボクシングの才能に最後の望みを託したのだった。ところが、そんなマギーの必死な思いにも、頑固なフランキーは、“女性ボクサーは取らない”のひと言ですげなく追い返してしまう。それでも諦めずジムに通い、ひとり黙々と練習を続けるマギー。フランキーの唯一の親友スクラップはそんなマギーの素質と根性を見抜き、目をかける。やがてマギーの執念が勝ち、フランキーはついにトレーナーを引き受けるのだが…。
1984年、イギリス北部の炭坑町。11歳のビリーは炭坑労働者のパパと兄トニー、おばあちゃんと暮らしていた。ある日、ビリーの通うボクシング教室のホールにバレエ教室が移ってきた。ふとしたことからレッスンに飛び入りしたビリーは、バレエに特別な開放感を覚えるのだった。教室の先生であるウィルキンソン夫人もビリーに特別な才能を見出した。それからというものビリーはバレエに夢中になるのだが……。バレエ・ダンサーを目指す少年の姿を描いたS・ダルドリー監督の長編第1作。
白人至上主義の極右組織“ネオナチ”のメンバーとなったある兄弟の悲劇を通し、現代アメリカの暗部を衝いてゆく。共演にエドワード・ファーロング。父を黒人に殺された恨みから、白人至上主義グループのメンバーとなったデレク。やがて殺人事件で刑務所送りになった彼が出所してきた時、デレクは自分を崇拝する弟がメンバーとなっている事実を知る。