Novel
両親の離婚を機に尾道から、母とともにかつて幼少期を過ごした信州に転校してきた斉藤一夫は、転校してきた善光寺北中学校で、幼なじみの一美と再会する。会話を重ねるうちに昔のように自然と呼吸が合ってくる一夫と一美は、思い出の場所である“さびしらの水場”へ足を運ぶが、誤って転落してしまう。
Writer
十年ぶりに小樽にやってきた小説家・綾瀬。彼はその地で自分のファンだという少女・はるかに出会い、二人で小樽を巡り始める。すると高校時代の綾瀬が姿を現して…。
Novel
寺の住職の一人息子・ヒロキはカメラ好きの高校2年生。さえない毎日を送るヒロキは、隣の女子校で放課後になるとショパンの『別れの曲』を弾く少女に恋心を抱いていた。彼女を勝手に“さびしんぼう”と呼んでいたヒロキの前に、ある日、ピエロのような格好をして“さびしんぼう”と名乗る謎の女の子が現れた。
Story
尾道市。中学生の斉藤一夫の学級に、一文字違いの転校生・斉藤一美がやって来た。一美は幼稚園時代の友達だといって一夫に付きまとうが、一夫はまったく覚えていない。下校中、2人は神社の階段からもつれ合うように転げ落ち、目覚めるとなぜか互いの体が入れ替わっていた。突然女の子の体になった一夫、男の子になった一美、混乱する2人は、元に戻るまで外見に合わせてそれぞれ相手の家で生活することになるのだが……。
Novel
母が他界し、他人の家に預けられていた田島ユリは、父から都会へ引っ越すと聞いて大喜びする。しかし、転居先は「サムライ部落」と呼ばれる古い住宅で、そこには新しい母と弟が待っていた。そんなある日、ユリたちの住む一画に、ノブシと呼ばれる放浪者たちが大挙して押し寄せてくる。