Hinako Kimura
岩木山が日本最大のリンゴ畑を見下ろす青森県中津軽郡。この地で生を受けた木村秋則(阿部サダヲ)は、幼い頃から学生時代にかけて、車やバイク、エレキギターなど機械いじりに夢中になって過ごしていた。高度経済成長によって生み出されたモノの仕組みに対する興味は人一倍で、当然ながら一帯を覆うリンゴ畑や農業への関心はゼロだった。後に、この農業に人生を賭けることになろうとは、学生時代には全く想像できなかった。そんな彼に転機が訪れる。リンゴ農家の娘・木村美栄子(菅野美穂)とお見合い結婚して木村家に入ることになったのだ。農業もリンゴも秋則にとっては初めての経験だったが、苦労しながらも何とか技術を身に付けてゆく。やがて、妻の身体に異変が起きる。リンゴは農薬なしでは生産不可能な果物だったが、その農薬が美栄子の身体を蝕んでいたのだ。繰り返し散布する農薬の影響で皮膚がかぶれ、数日間寝込むこともあった。これをきっかけに、絶対不可能と言われていた“リンゴの無農薬栽培”への挑戦を決意する秋則。美栄子の父・征冶(山崎努)の協力を得て、私財を投げ打って挑戦を続けるが、およそ10年の間、奇跡が起きることはなかった。畑は痩せ、周囲の農家には“カマドケシ(破産者)”と疎まれ、家族は貧困にあえぐ。追い詰められ、自殺を決意した秋則は1人、岩木山を登る……。とその時、荒れ果てた山野に立つ1本の樹が目に止まった。その枝には、果実がぶら下がっていたのだ。“なぜ、こんなところに……?”疑問に思いながらその樹に近づいた秋則は、そこで奇跡の糸口を掴む……。
girl
蒼井優、鈴木京香、竹内結子、田中麗奈、仲間由紀恵、広末涼子の6女優が、昭和から平成にいたるまでの3代の女性たちを演じる群像劇。監督は「タイヨウのうた」の小泉徳宏。昭和11年、封建的な家長制度で生まれ育った凛(蒼井)は、親同士が決めた結婚を受け入れられず、花嫁姿のまま家を飛び出す。時は過ぎ昭和30年、凛の長女・薫(竹内)、次女・翠(田中)、三女・彗(仲間)は高度経済成長のなか、たくましく成長していた。そして平成21年、そして平成21年、彗の長女・奏(鈴木)は、平凡ながらも幸せな生活をおくる次女・佳(広末)を優しく見つめながら、人生の岐路に立たされていた。
娘を連れて出戻ったなおこと、その母まさこが営む町に一つの美容室「パーマネント野ばら」。町の女性たちは日々店に集ってはおしゃべりに興じ、恋にまつわるさまざまな悩みや人には言えない小さなうそを告白していた。一方、なおこは高校時代の恩師カシマと恋をしていたが、その恋にもある秘密が隠されていた。