Ichiko Hashimoto

作家・美倉洋介は耽美派の天才と称されながらも創作に行き詰まりを感じていた。ある日、彼は新宿駅の片隅で酔いつぶれていた少女に出会い、思わず家に連れて帰る。“ばるぼら”と名乗る彼女は大酒飲みで自堕落だが、美倉は不思議な魅力を持つ彼女を追い出すことができない。彼女がそばにいると、失われていた創作意欲が湧き出してくるのだ。有力者の娘である婚約者がいながらも、ばるぼらとの関係に溺れていく美倉だったが……。

激化の一途をたどる、ユーロ・ブリタニアとユーロピア共和国連合の戦争。劣勢を強いられているユーロピア共和国連合軍は、ユーロ・ブリタニアの日本占領で国を失った少年少女を集めた特殊部隊wZEROに、陽動を目的とした敵中降下命令を下す。しかし、部隊のメンバーは隊長のレイラや日向アキトを筆頭に、5人しか残されていなかった。そのころ、ユーロ・ブリタニアではギアスという謎めいた力を用いて恩人を自死に向かわせたシンが、聖ミカエル騎士団の総帥となる。さらに、彼と配下のアシュラ隊に出動せよという指令が……。

皇暦2017年。日本ではルルーシュが大国ブリタニア帝国への反抗を繰り広げているころ、ヨーロッパ連合国E.U.もまたブリタニアの侵攻に圧倒されていた。そこでE.U.軍は特殊部隊「W-0」を編成。中でも元ブリタニアの貴族の少女レイラ・マルカルを司令官にパイロットの日向アキトら日本人の少年少女たちから成るナイトメア部隊は、生還の可能性の低い戦いに送り込まれる。

突如現れた謎の存在・MUによって、隔絶された東京。中に残った高校生の神名綾人は逆に外の世界が滅亡したと教えられ、恋人の同級生美嶋遙との記憶も遠くなりつつあった。その綾人の前に一人の女性が現れる。

映画作家の青年は、謎の依頼主から映画の製作を頼まれる。与えられた条件は7日間、同じ部屋の中でひとりの少女を撮影すること。密室の中に男と女、ふたりきりのストイックな時間がゆっくり流れてゆく。やがて日が進むにつれ、青年には現実と妄想の境界が崩れ、捩じれた世界が現れるのだった。

無頼派の作家・坂口安吾の「堕落論」に並ぶ代表作「白痴」を、手塚治虫の長男・手塚眞がメガホンをとり映画化した文芸大作。戦時中の秘められた男女の共同生活と逃避行を描いた原作を、ビジュアリストと呼ばれる手塚眞のイマジネーションにあふれた独自の発想と演出で大胆に映像化。ベネチア国際映画祭で上映され、先鋭的な映像技術のすぐれた作品に与えられるデジタルアワードを受賞するなど注目を集めた。延々と続く戦争により人々の生活が荒み、どこか終末的な空気の漂う日本。映画制作を志しながらテレビ局のADとして働く伊沢は、戦意高揚番組と安直で低俗な歌謡番組ばかりの仕事に幻滅していた。なかでもカリスマ的アイドルの銀河の傍若無人さと、粗暴なディレクターの落合の理不尽な仕打ちには、心身をすり減らすばかり。そんなある日、隣に住む木枯の妻で白痴の女性サヨが伊沢の部屋に忍び込んでくる。そこから2人の奇妙な共同生活が始まり……

「土」をモチーフに展開される、台詞のない世界。地面に潜ったカメラはエレベーターのように下降し続け、そこに次々と奇抜なイメージが展開されてゆきます。人間の「陰」の部分を、パノラマのように見せてゆく作品です。物語の時間や空間を超越し、80シーンが1カットで見せられる特殊なスタイルが世界で評判となり、数々の映画祭で上映されました。

シリーズ2本目。「水」をモチーフに、美しい沼の映像が冒頭を飾ります。水の底に住む姉妹と恋人の寓話的なストーリーが、台詞に依らない実験的な語り口で展開してゆきます。耽美的な映像と音楽が、幻惑的な雰囲気を際立たせます。この作品以後、カメラマン・藤井春日、音楽・橋本一子とのトリオでのコラボレーション作品が続いてゆくことになります。

A fortuneteller tells Hidari Taisho that he must hunt down 1000 foxes in order to conquer the country. So Akuemon, who is disliked by everybody, is hired to do the foxhunting. In response, the foxes send a female fox to Akuemon's house disguised as his wife. A story unfolds between Akuemon, who has never loved anyone, and the female fox, who slowly discovers true love in him even while tormented by sorrow over her comrades' death. This is the 6th work in "The Lion Books" series. It is also the first attempt by visualist Tezuka Makoto, Tezuka's older son, to render an original of his father's into an animated version.

Ammonites were a kind of snail-like precursor to today's mollusks, common in the seas of the Cretaceous period, many millions of years ago. They are among the most commonly found fossils, so they must have been extremely plentiful. In this meditative and largely unstructured first feature, a young geologist is traveling by train to visit his sister in the countryside after having received a disturbing and mysterious letter from her. As he travels, he remembers his childhood fixation with rocks, nurtured by his mother, and his very strong affection for his sister.

「火」をモチーフにして、巨大な爆発の炎を背景に幻のような影が踊ります。その爆発の鮮烈なイメージは、その後の『白痴』でも再現されました。シリーズ第1作目として題名も“序曲”と名付けられています。