東日本大震災の後、亡くなった大切な人に声を届けようと多くの人が訪れている岩手県大槌町に実在する電話ボックス“風の電話”をモチーフに描くヒューマン・ドラマ。津波で家族を亡くし、広島の叔母に引き取られた少女が、ある出来事をきっかけに故郷の大槌町を目指し、その道中で様々な出会いを重ねて成長していく再生の旅路を描く。主演は「少女邂逅」「おいしい家族」のモトーラ世理奈。共演に西島秀俊、西田敏行、 三浦友和。監督は「ユキとニナ」「ライオンは今夜死ぬ」の諏訪敦彦。
8年前の東日本大震災で家族を失い、いまは広島に住む伯母の家に身を寄せている高校生のハル。心に深い傷を抱えながらも、叔母に支えられ日常生活を送ってきた。ところがその叔母が倒れて入院してしまい、不安と悲しみから道端で気を失ってしまう。偶然通りかかった男性に助けられた彼女は、一人で故郷の大槌町へ向かうことを決意するのだったが…。
「砂の器」の名コンビである松本清張(原作・脚色)と野村芳太郎監督のコンビによる、推理サスペンス・ドラマ。桃井かおりと岩下志麻を主役に迎え、自動車事故で死亡した富山の財閥と、その夫人に着せられた保険金殺人の疑惑を辣腕女弁護士が解明してみせる。富豪の後妻に桃井かおりが扮し、その独特のエロキューションや、悪女と呼ばれる女のふてぶてしさ、可愛らしさを見事に表現。対する女弁護士には岩下志麻が扮し、終始毅然とした“理性の女”ぶりを発揮。そのクールな表情は、時としてホラー映画さながらの冷徹さを見せるほど。 この“理と情”のシンボルとも言えるふたりの女を、野村監督の演出は見事な対比で描いて見せ、事件の概要をも彼女らの言動を通して観客がすんなり理解出来るあたりの手腕はさすが。また桃井の後妻は過去に関する描写にウエイトを置いている一方、岩下の弁護士は離婚歴があり、夫側にいる娘とのやりとりを通してしか、「なぜ、彼女がそういう女になったか?」について言及していない、この描きわけが面白い。観客としては当然、桃井の悪女のほうに感情移入しがちなのだが、その彼女の窮状を救うのが、岩下の冷静な判断力と推理であるあたりの皮肉とカタルシスが、爽快な後味を与えている。ただし判決確定後、ふたりの女が交わす本音のやりとりは、両女優の演技合戦という意味も含めて、世の男性諸氏を恐怖のどん底にたたき落とすほどの壮絶さ。ご注意を。
Masako, a five-year-old girl living in the suburbs of Chiba, gets a tiny scratch on her finger while playing with mud in a marsh. After that, she suffered all kinds of horrible spasms including biting her tongue. The doctor checks on her for hours on end and arrive at the conclusion that she has tetanus. It seems like the devil has come to dwell in the little girl's body. Her parents have to to bear the sufferings of their child and face the fear that they might also be the victims of tetanus. The once peaceful family has changed completely and the three have been cast into a bottomless hell.