ラーゲリより愛を込めて (2022)
ジャンル :
上映時間 : 2時間 14分
演出 : Takahisa Zeze
シノプシス
第二次大戦後の1945年。そこは零下40度の厳冬の世界・シベリア…。わずかな食料での過酷な労働が続く日々。死に逝く者が続出する地獄の強制収容所(ラーゲリ)に、その男・山本幡男は居た。「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます。」絶望する捕虜たちに彼は訴え続けた――身に覚えのないスパイ容疑でラーゲリに収容された山本は、日本にいる妻・モジミや4人の子どもと一緒に過ごす日々が訪れることを信じ、耐えた。劣悪な環境下では、日本人同士の争いも絶えなかった。戦争で心の傷を負い傍観者を決め込む松田や、旧日本軍の階級を振りかざす軍曹の相沢らに敵視されながらも、山本は分け隔てなく皆を励まし続ける。更に、元漁師の純朴な青年・新谷には学問を教え、過酷な状況下で変わり果ててしまった同郷の先輩・原にも声をかけ続けた。そんな彼の仲間想いの行動と信念は、凍っていた捕虜たちの心を次第に溶かしていく。終戦から8年が経ち、山本に妻からの葉書が届く。厳しい検閲をくぐり抜けたその葉書には「あなたの帰りを待っています」と。たった一人で子どもたちを育てている妻を想い、山本は涙を流さずにはいられなかった。誰もがダモイの日が近づいていると感じていたが、その頃には彼の体は病魔に侵されていた…。体はみるみる衰えていくが、愛する妻との再会を決してあきらめない山本。そんな彼を慕うラーゲリの仲間たちは、厳しい監視下にありながらも、山本の想いを叶えようと思いもよらぬ行動に出る。そしてモジミに訪れる奇跡とは――